佐々木茂樹「自公派市長のもとでの教育行政」(2011年6月号)

 4月24日に行われた市長選で、現職の関口博氏が敗れ、自民党・公明党などが推薦した佐藤一夫氏が当選した。上原市長、関口市長と12年間続いた「市民派」市長が、自公派の市長に交代する影響は、国立市の教育にとっても計り知れないものがある。
 4年間、教育という政治に直結している問題を通して関口市政に関わってきた者として、市長選についての辛めの感想を述べるとともに、今後の教育行政への影響を考えてみたい。

1.棚ぼた市長の誕生--窮鼠猫を咬む

 昨年暮れから再選への意向を表明していた関口氏は、佐藤氏の出馬表明があっても再選を確信していたであろう。しかし、3月になって共産党が独自候補を擁立することがはっきりすると、関口氏の再選はきわめて厳しいものになった。佐藤陣営にとっては、まさに「棚からぼた餅」の状況であったといえる。(朝日新聞が煽っていた住基ネットは市長選の争点でも何でもなかったのである。)
 この間、関口陣営と共産党の間で話し合いがもたれたり、共産党の独自候補擁立を断念させようとする動きもあったようであるが、結果として3人での選挙となってしまった。
得票数から見ると、関口氏と小沢氏の得票数を合わせれば佐藤氏を上回るものになっており、4年前の市長選と同じ状況が生まれる可能性があったと言える。その意味で、関口氏が負けたということより、自公派市長が誕生したことを残念に思う市民は多いと思われる。
 そもそも、国立で「市民派」の市長を誕生させるために、共産党を含めて統一の候補者を立て、自公派市長との1対1に持ち込むしかないことは当たり前のことではなかったろうか。個人や1つの政党が旗を振っても当選することなどはどだい無理であることは、最初から分かっていたことなのである。

① 佐藤市政誕生の最大の功績者は共産党

 共産党の政策の是非は別として、小沢氏が市長に当選する可能性はゼロと言ってよかっただろう。そのことは共産党自体も分かっていたはずである。3・4・10号線も、駅前開発も、家庭ゴミ有料化の問題もすべてなげうって市長選に負けてもいい独自候補を立てた最大の理由は、「打倒関口市長」であったといえる。そこには、市民生活のレベルをそこそこ維持させていこうという姿勢はまったく感じられない。東京都知事選に小池氏を擁立するのとは訳が違うのだ。
 一方、関口陣営の方はどうかといえば、4年前の関係をご破算にしても共産党が独自候補を立てるとは考えず、「関口ブランド」一色で勝てると判断したのだろうが、関口ブレーンの共産党批判は常軌を逸したものであった。政策の違い以上の感情的なものになっていたといえる。
 4年前の市長選の選挙母体である「これからも市民がつくる国立の会」の解散を決める会合で、わざわざ共産党批判をして対立を煽ってきたことが、結果として共産党をかたくなにさせ、「打倒関口市長」の独自候補擁立を決断させたともいえる。
 もちろん、対立はここ1年でつくられたわけではないだろう。4年かけてお互いが作ってきた対立が、政策上の対立を超え、好き嫌いのレベルの対立になっていったと思われる。そこには、4年前と同じように自公には市長を渡したくないという市民の思いなどは勘定に入らず、立候補された方や応援された方には申し訳ないが、好き嫌いとメンツだけの泥仕合が行われたといえる。そして両者共倒れ。残念なことである。
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by spacef | 2011-07-02 17:54 | ニュースレター